2009年07月05日

「単語」ではなく「文章」を覚えること

◆◆大学受験「目からウロコの英語勉強法」◆◆

前回では、英語の勉強法に関する5つのポイントをご紹介しました。
今回から、それぞれについてさらに詳しく説明いたします。

何だかややこしい話が続いてメンドーだ、と思われるかもしれませんが
もとよりひとつの外国語をマスターすることは
それほど単純なことではありません。

私の教室では
英語の学習法についてご相談にこられる生徒さんには
まず私の考えをよく説明し
ご本人に納得してもらった上で、具体的なスケジュールに入ることにしています。
本人が納得した上でなければ、十分な成果は期待できないからです。

「理屈ばかりこねていないで、もっと具体的な話をしたらどうだ」
というご意見もごもっともですので
(おそらく)次回から、具体的な提案をしていきたいと思いますが
とりあえずは前回の続きとして

「目からウロコの英語勉強術・5つのポイント」
のうち
1)「単語」ではなく「文章」を覚える事。
について、もう少しお付き合い願いたいと思います。

英語の学習にとって、単語・熟語は生命線です。
いかに文法・構文に精通していても、単語の意味が分からなければ手も足も出ません。
誰にも分かる理屈であると思います。

では、単語さえ知っていればどうにかなるのか?

限りなく「YES」に近い、と言いたいところですが
これはそれほど単純な問題ではありません。
単語をひとつずつバラバラに覚えても
「英語とは何であるのか」というトータルな理解にはつながらないからです。
単語重視に偏りすぎた学習法が、深刻な弊害をもたらすものであることは
もはや、多くの先生方の間では通説にもなっているのです。

だがその一方では、最終的にものをいうのが単語力であることも否定できません。
どんなに英語が得意な人間でも
さらにスキルをアップしようと思えば、とりあえず手がけることが単語力の強化であるし
また、どんなに英語が苦手な人間でも
単語さえ知っていれば、大体はどうにかなってしまうのが英語というものです。
もちろん、テストでもそこそこの点は取れるのです。
それが現実なのです。

だからみんな必死になって単語を覚えようとする。
それは正しい選択だと言ってもいいでしょう。
英語の実力を伸ばすためには
いずれにせよ、何らかの形で単語は覚えなければならないからです。
英語は得意だが、単語力は乏しいという人間はまずいません。

しかし、問題は覚え方です。

出てきた単語を「あれも必要これも必要」だからと
出てきた順に覚えようとしても、覚えた順に忘れてしまうだけの話です。

試しに、辞書で調べたら1回ごとに印をつけてみたらどうでしょうか。
まじめに勉強している人間なら、10回以上チェックのはいる単語はざらにあるはずです。
しかし、10回引いても覚えないものは、結局覚えられません。
覚えられなかったから10回も引いたのではないでしょうか。

「ある単語を辞書で調べたら、妙に見覚えのあるものだった。
よくよく考えたら5分前に引いたばかりの単語だった!」
などというイマイマしい経験を持つ人々も少なくないはずではないでしょうか。

では、最初からターゲットをある一冊に絞り
組織的・系統的に覚えて行ったらどうでしょうか。
たとえば、学校の単語テストなどはその典型であるといっていいでしょう。
大半の進学校で実施されている、例の単語テストのように
ある単語帳一冊をいくつかの小さなブロックに分け、定期的に小テストを行っていけば
ゴールまで到達したとき、計算どおり一冊分の単語を征服できるのでしょうか。

しかし、現実はそう計算どおりには運びません。
あんなにコツコツまじめに勉強して覚えたのに
それを何度も繰り返して、毎回毎回満点に近い点を取ってきたのに
最後の小テストを終わったとき、果たしてどれだけの単語を覚えているでしょうか。

聞くまでもありません。殆ど覚えていないはずです。
ゴールまでやっと到達したと思って振り返ってみたら
全体の一割も覚えていないのではないでしょうか。
こう質問すると、ほとんどの人はただ黙ってうなずいてしまうのです。

ではどうすればよいのでしょうか。
どうすれば着実に覚えられるのでしょうか。

答えは意外なところにあります。
単語は増やして覚えればよいのです。

・・・って、何のことだか意味不明?

確かにそうかもしれません。
少々説明をさせてください。

言葉を、出来るだけ小さな要素(つまり単語)に分解したほうが覚えやすい、という考えは
誰もが納得しそうな理屈ではありますが、じつは錯覚に過ぎません。
賢明な方はうすうす感づいているのではないでしょうか。
むしろ、バラバラに覚えるから覚えられないのであって
実際には、いくつかの単語を組み合わせて覚えたほうが
つまり「増やして」覚えたほうがはるかに覚えやすいのです。

たとえば『congratulate=祝う』という単語と『graduate=卒業する』という単語は
それぞれ、なかなか覚えにくい単語ですが
『Congratulations upon Graduation.=卒業おめでとう』と組み合わせてしまえばかえって覚えやすい。

また、『administration』という単語には、『管理』とか『行政』とかいう意味がありますが
このような抽象的な意味を持つ単語もやはり覚えにくいものです。
しかし『The Obama administration=オバマ政権』としただけで
なぜか覚えやすい単語に変身してしまいます。
人間の脳って不思議なものですね。

このような例はいくつもあります。
イヤに覚えにくいと感じる単語に遭遇したら
ためしに辞書を引いて、印象に残りやすい連語を探してみてはいかがでしょうか。
それをノートに溜め込んでおけば
かなり強力なツールになることは間違いなしです。

しかしここに
単語力を付けるための、もっといい方法があります。
それは「文章」にして覚えることです。

「エ? 文章がどうしたって?
アンタ、何考えてるんだ?
単語を覚えるのが大変だって言っているのに
言うに事欠いて、文章を覚えろっての?
アンタ、オレに何か恨みでもあるんじゃないの?」

・・・イエイエ、恨みなんかこれっぽっちもありません。
確かにそう憤るのも無理はないかもしれませんが、それは勘違いです。
意外なことに、単語より文章のほうが覚えやすいのです。
そして、文章の中で覚えた単語は忘れないのです。
それは専門家の研究でも明らかにされています。
だから、現在市販されている多くの単語帳には
ひとつの単語にそれぞれひとつずつの例文が示されているのです。
これは、日本の英語教育の最新のトレンドと言っても過言ではありません。

しかし、そんなことよりも
「文章」を覚えることにはもっと大きな意味があるのです。
それは、「英語脳」を作ることにほかなりません。
多くの英文を覚えることは、英語の何たるかを直感的に理解し
脳の中に「英語的思考回路」を作る最も効果的なトレーニングでもあるのです。

なぜか。

・・・ということで
本日は時間がなくなってしまったので
この続きは次回ということにしたいと思います。



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ホームページ http://garba-zemi.jimdo.com/




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「単語」ではなく「文章」を覚えること
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