2009年08月22日

「すでに覚えたこと」を何度も確認することが語学学習の本質

◆◆「目からウロコの英語勉強法」◆◆

大学受験に限らず、さまざまな理由で英語を学習する人々にとって
最大の悩みとは一体何でしょうか?

おそらく「いくら覚えても覚えたはじから忘れてしまう」
または「新しいことを覚えるたびに、今覚えかけていることを忘れてしまう(ような気がする)」
いわゆる「ひとつ覚えると2つ忘れる(ような気がしてならない)」
ということではないでしょうか。

事実、これだけ多くの時間を費やして覚えてきたはずの単語や文法のうち
どれだけのものが確かな記憶として残っているでしょうか。
中には「ほとんど残っていない」という方もいるのでは・・・

しかも、そのことを一番よく知っているのが自分自身なのです。
それで、どうして意欲を保つことが出来るのでしょうか。
英語の勉強そのものが嫌いになってしまうのも、無理はありません。

ではどうすればよいのか。
どうすれば着実に覚えられるのか。

解決策はあります。
それも、当たり前すぎるほど当たり前なことです。

その解決策とは・・・
「すでに覚えたこと」を何度も反復・繰り返し確認することなのです。
分かるでしょうか?
「新しいこと」を覚えるのではなく
「すでに覚えたこと」を何度も覚え直すのです。
なぜならば、それこそが語学学習の本質だからです。

「え? それって、ちょっとヘンじゃない?
覚えたことはもう覚えたんだから、それでいいんじゃないの?
そんな悠長なことをしてたら、いくら時間があっても足りないよ。

受験生には、やることが山ほどあるんだゼ。
英語のほかにも、数学や物理・化学や、地歴、古文、漢文と・・・
ああ、思い出しただけでもゾッとする。
そんな厳しい現実の中で、なんで英語だけノンビリやればいいっての?
脳天気も程々にしてもらいたいもんだね。
アンタ、現実ってものを知らなけりゃ
世間の笑いものになっちゃうゼ・・・」

・・・ご心配ありがとうございます。
でも、決してノンビリやれと言っているのではありません。
そのほうが、早く、確実な結果に繋がると言っているのです。

たとえば、一昨年卒業したK君は
統一模試では200点満点中40点しか取れなったのに
4ヶ月後のセンター試験では160点をマークし、奇跡の大逆転を達成しました。

そのK君の勉強法が、一冊のテキストを何十回も暗唱して覚えることだったのです。
つまり、「すでに覚えた」ことを「何度も覚え直した」だけなのです。
それで周回遅れを見事に挽回したのですから
結局は、誰よりも時間を有効に使ったことにはならないのでしょうか。


確かに、受験生には覚えるべきことが山ほどあります。
しかし、だからと言って、そんなに焦って詰め込もうとしても
やがて食中毒を起こし、パニックに陥ってしまうことにもなりかねません。
大学受験とは、「結果」が勝負なのです。
焦ったところで、「結果」に繋がらなければ何にもならないのです。

「今日覚えたこと」は、脳の中の「仮の引き出し」に収められたに過ぎません。
その引き出しの収容能力には限界があるばかりか
引き出しの種類がもともと違うのです。
それを「覚えた」と勘違いして、次から次へと「仮の引き出し」に詰め込もうとすれば
間もなく脳が生理的に拒否反応を起こしてしまいます。

「英語の勉強が思うように進まない」という悩みの大半は
そこに原因があると言っていいのではないでしょうか。

大学受験に必要な単語・熟語は膨大な数に上ります。
「授業で一度やったから」とか、「テストに出てきた単語だから」などという程度で
到底覚えきれるものではありません。
一度や二度で覚えられるのなら誰も苦労はしないのです。
ならば、覚えるまで何度でも繰り返すほかはありません。
もっと露骨に言えば、今日覚えた単語・文章を
明日もあさっても、何回でも繰り返し確認して頭に叩き込まなければならないのです。


それでは一向に前に進まないないのではないかって?

そうではありません。
そうして着実にひとつずつ積み上げていく者のみが
最後には栄光をつかむことが出来るのです。

たとえば、野球部の練習を考えてみましょう。

野球部の練習は、毎日同じことの繰り返しです。
今日はバントの練習をしたから、もうバントの練習はそれでおしまいにして
明日は別の練習を始める、などということをするでしょうか?

そんなことは決してありません。
今日も明日もあさっても、何日でもバントの練習を繰り返すのです。
そうして一つずつ確実に技術を積み上げていくから、強くなるのです。
「君たちは、毎日同じ練習ばかり繰り返していて、少しも進歩がないではないか」
などと、誰が嘲笑するでしょうか?

語学の学習も、本質的には変わりません。
反復・繰り返しのトレーニングが何よりも大事なのです。
今日はこれを覚えたから、明日は次のことを、あさってはまた別のことを・・・
では、結局何も残りません。
一言で言えば、何も進歩はないのです。

着実に一歩一歩前進するためには
「新しい事を覚える」時間と労力を犠牲にしてでも
「既に覚えた事の確認・確保」に費やさなければなりません。
極端な言い方をすれば
「昨日やったことと全く違うこと」をやってはいけないのです。

それは回り道でもなければ、足踏みでも、後ずさりでもありません。
それこそが≪語学学習の王道≫であり、爆発的成長への最短コースなのです。

そうして小さな石をひとつずつ着実に積み上げていく者だけが
あるところから飛躍的に急成長することが出来るのです。
今は信じられないかもしれませんが、その瞬間は間違いなくやってきます。
ある日突然のように、大きく成長した自分自身を発見するのです。

そんな事をしている間に、ライバルはどんどん先へ行ってしまうって?

そんなバカな事は絶対にありえません。
おへそでお茶を沸かすとはこのことです。

カメとウサギのおとぎ話では
遅れてゴールに到達したウサギが「シマッタ、油断していた!」
と、地団駄踏んで悔しがることになっていますが
語学学習の世界では、少々事情が違います。
皆さんもウスウス気が付いているのではないでしょうか。
先を争って飛び出していったウサギは
結局ゴールには到達しないのです。

私の教室では
英語の学習時間の大半を
「既に覚えた事の確認」に費やすようにアドバイスしています。
具体的には、一冊のテキストを何十回でも暗唱して覚えることです。

私自身の経験から言って
その驚くべき効果には、太鼓判を押すことができるからです。

「一冊で十分だろうか?」
という疑問を持つ方もいるかもしれませんが
その心配は「取らぬ狸の皮算用」というものです。

長年にわたって、数多くの生徒を指導してきた経験から言っても
何冊ものテキストを抱え込んだ生徒より
ボロボロになった一冊を持っている生徒のほうが
結果的には、はるかにいろんなことを知っているのです。
もちろん、テストでもいい点を取ることが出来ます。

ところで・・・
「すでに覚えた」ことを繰り返し確認することには
もうひとつ、特別な効用があるのです。

それは、「出来る・知っている」を少しずつ増やしていく事です。

誰でも、得意科目であれば「出来る」し、「知っている」事も多いはずです。
しかし、得意科目だから「出来る・知っている」というのは
順序としては正確ではありません。
じつは、「出来る・知っている」から面白くなり、得意科目となるのです。

「既に覚えた事を何度も確認する」という作業は
その「出来る・知っている」を一つずつ増やしていく事に他ならないのです。

それはまた、小さな成功体験を積み上げる事でもあります。
「あれも出来る・これも知っている」と
少しずつ成長している自分を確認するのです。
そしてある日、苦労して覚えた単語が、授業やテストで出てくるようになります。

すると不思議なものです。
「もっと出来るようになりたい」「もっと知っている事を増やしたい」
という欲が出てくるのです。
つまり、英語の勉強が面白くなるのです。



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